さりげなくについて
神戸・北野坂のJAZZバー、その六十年
「さりげなく」は、神戸・北野坂にある小さなJAZZバーです。1965年、元町駅にほど近いトアロードの地下でジャズ喫茶として産声をあげ、やがて北野坂へ移り、いまも変わらず50〜60年代の名盤を中心としたレコードを流し続けています。
店の歩み
創業は1965年。前のオーナーが、トアロードと北長狭通の交わる角、ビルの地下にジャズ喫茶として開いたのが始まりです。元町駅から歩いてすぐの場所でした。隣にはかつて北京飯店があり、角には「キャンドル」という喫茶店があったといいます。いずれも、いまはもうありません。
当時を知る方の回想には、小さな階段を降りるとアニタ・オデイの「ス・ワンダフル」が聞こえてきたこと、カウンターに座ると正面に膨大なレコードが収められていたことが記されています。前掛けの紐を腰で結んだマスターが、静かに音を選んでいた店でした。
1981年ごろ、現在のマスター・冨山公雄が前オーナーから店を引き継ぎます。そして1985年ごろ、店は北野坂の三浦ビル二階へ移りました。地下から二階へ、通りも景色も変わりましたが、レコードとスピーカーと、静かに聴くための時間だけはそのまま持ち上がりました。
いまカウンターの奥の窓から見えるのは、神戸の夜の灯りです。創業から数えて六十年、引き継いでから四十余年が経ちました。
- 1965年トアロード沿い、ビルの地下にジャズ喫茶として創業(前オーナー)
- 1981年ごろ冨山公雄が店を引き継ぐ
- 1985年ごろ北野坂・三浦ビル2Fへ移転
- 現在50〜60年代のレコードを、YAMAHA NS-1000Mで
旧店舗の場所や移転の時期は、当店以外の方が書かれた 外部の記事・資料 の記述にもとづいています。
店名の由来
店名は、前オーナーが愛したアニタ・オデイの歌声に由来しています。飾らない、それでいて心に残る歌い方。その佇まいから「さりげなく」と名付けられました。派手さよりも静けさを、声高なメッセージよりも淡い余韻を選ぶ——そんな店であろうとしてきた六十年です。
マスターのこと
現マスター・冨山公雄が店を引き継いで四十余年。東京での学生時代はジャズ研で、神戸に帰ってからは地元のミュージシャンと共に活動し、神戸の音楽シーンに長く関わってきました。温厚な人柄で、初めて訪れた方にも気さくに話しかけてくれます。もちろん、話しかけられたくない夜は、ただ黙って音楽を聴いていてもらって構いません。
音楽について
1950〜60年代の黄金期のジャズを中心に、Miles Davis、John Coltrane、Bill Evans、Anita O’Day——その時代を彩った名盤たちを、YAMAHA NS-1000Mから静かに流しています。曲名やアーティストを知らなくても、まったく問題はありません。ただ良い音を、静かに聴くための場所です。
常連と、旅人と
親子二代で通ってくださる常連さんも、神戸を訪れたついでにふらりと立ち寄る旅人も。誰もが、ただ音楽に耳を傾け、静かに杯を傾ける。それが「さりげなく」という場所の姿です。
初めての方へ、より詳しい過ごし方は 「初めての方へ」 をご覧ください。
外部の記事・資料
「さりげなく」について書かれた、当店以外の方による記事です。内容は各サイトの筆者によるものです。
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ジャズ探訪記 vol.77「さりげなく」
KOBEjazz.jp(デンソーテン)/2013年 当店を取材した記事 -
村上春樹のジャズ喫茶を歩く 神戸編
東京紅團/旧店舗の所在地と、当時の雑誌記事について -
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ペットの皮膚科ブログ/2026年 旧店舗に通われていた方の回想 -
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Feel KOBE 神戸公式観光サイト 北野坂のジャズスポットとして -
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Ashの宝箱/2010年 旧店舗を知る方が、北野坂の店を訪ねた記録